ドイツの語学学校へ行く
ドイツの大学への留学が決まり、ドイツへ向かいました。ドイツ語は日本で基礎文法はやっていましたが、今のままでは論文をドイツ語で書けないと思い語学学校に通うことにしました。
その小さな語学学校には１クラス、５人から６人の生徒が来ていました。国籍も、メキシコ、コロンビア、ロシア、台湾など様々でした。どの生徒もドイツで大学に行きたいとか、職を見つけたいという目的があるので基本的にとても熱心でした。学校に通ってみてまず驚いたのは、どの生徒も積極的に先生の質問に答えていくことです。しかも、とても早口に聞こえて、こんなにドイツ語がしゃべれるなら学校に来なくてもいいのにという印象すら与えます。というわけで、その当時の私はそのスピードに圧倒されていました。しかし、これはしばらくして分かったのですが、彼らのドイツ語は確かに速くて一見できるような印象を与えるのですが、よく聞くと文法的には間違いが多かったのです。このことから私は２つの教訓を得ました。一つは、ドイツでは１００パーセント正しい文書でなくとも何か言わないとそこにいないのと同じだということです。これは自分の頭の中で正しいドイツ語を組み立ててから話そうとする日本人の陥りやすい罠だと思います。もう一つは、一見矛盾するようですが、この文法力こそ日本人の最大の武器であるということです。確かに文法を固めなくてもある程度通じるドイツ語をしゃべれるようにはなります。しかし、その上のレベル、例えばビジネスなどでドイツ語を使うレベルへは文法なしには行けません。しっかり文法に沿って話すことを中学から叩き込まれた日本人にとってこれは大きな利点だと思いました。
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